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脳を電流刺激する新トレーニング法
リオオリンピック、ついに開幕ですね。
前日開催の男子サッカーは、あと一歩勝利に届かずという悔しい結果でしたが、今後の活躍に期待が高まります!
さて、本日は、オリンピックにちなんで、トレーニング方法に関する脳の最新情報を紹介します。運動のトレーニングは、地道な反復練習、イメージトレーニング、コーチによる指導などさまざまな方法が実践されています。今回紹介する東京大学の野崎教授らの発見は、これとは全く異なる新たなトレーニング方法です。
それは、電流を脳に流す方法です。
運動のトレーニング中に、脳を電流刺激します。
そして、しばらくトレーニングを続けると、電流刺激に応じて運動スキルが憶えられたのです。
詳細は割愛しますが、野崎教授らの実験では、運動スキルの獲得が難しい課題を実験参加者に与え、その課題中に電流刺激することで、電流刺激に応じた運動スキルを学習させることに成功しました。
電流刺激は、tDCSという方法を用いています。以前のブログでも紹介した方法です。
ここでは、運動の実行に関与すると考えられている一次運動野(下図の赤色のエリア)を刺激しました。
(*) wikipediaより引用
https://en.wikipedia.org/wiki/Primary_motor_cortex
もちろん、電流量、刺激波形、刺激部位、刺激タイミングなど、まだまだ検討すべきことはありますが、脳を直接刺激することで効果的に運動スキルを学習できるという新しいトレーニング方法は革新的です。
野崎教授らの研究が進み、2020年東京オリンピックでは、脳を電流刺激するトレーニングがあたりまえになっているかもしれません。
脳の電流刺激によって脳力と能力を高めるtDCSとtACS、新知見も多く目が離せません。
では、また次回に!
(*)引用させて戴きました論文です。
Tagging motor memories with transcranial direct current stimulation allows later artificially-controlled retrieval
https://elifesciences.org/content/5/e15378